第21章 〇【ジーク】ソラ様合同夢♡
「痛くないよね?」
「だい、丈夫です…っ」
「じゃあ、今度は反対側向いて」
「はい…」
ここに来る人はきっとみんな私と同じような格好で施術を受けているんだから、もし見えていたとしてもジーク先生は慣れてるはず。だから気にしない、気にしない。
そう思うように努めているけど、意識しないようにと思うほど自分の中心に熱が籠る。
脚を動かされる度に肌触りのいいホットパンツが股に擦れる。そこに意識が集中してしまっている今、この刺激はまずいかも。ちょっと濡れてきちゃってる…。
「はい、これで大きな歪みは治したよ」
「え?あ、ありがとうございます…」
耐えるように目を閉じて刺激をやり過ごしていたら施術が終わったらしい。安心したような少し残念なような、ちょっと気恥しさも感じて私はジーク先生の顔が見られなかった。
「大丈夫?疲れた?」
「いえ、そういう訳じゃなくて」
「赤の他人に全身触られるなんてなかなかないから気疲れしちゃうよね」
「そうですね、少し」
「アロママッサージに入ろうか。そんな疲れも吹き飛ばしてあげるよ」
そう言ってジーク先生は施術台の横にあるサイドテーブルに向かった。アロマオイルが入っているであろう容器の横にあるラジカセの電源を入れると、部屋のなかに音楽が流れ出す。
「マッサージはリラックスした状態で受けるとより効果が上がるから、ちょっとしたリラクゼーション音楽だよ」
「そうなんですね…」
決して大きい音ではないのに不思議と耳に響く。反響するかのように広がる音が全身を包むようだ。
「…じゃあ始めるよ。そうだなあ、最初はうつ伏せになってもらおうかな」
「はい…」
うつ伏せになり、腕を顔の下に入れた。サラサラとして、ジーク先生の掌で温められたオイルが背中に垂れる。……いい香りがする。
「じゃあやっていくけど、肌になにか異常を感じたら直ぐに言ってね。今垂らしたオイルは全部の肌質に合うスイートアーモンドオイル。それに、肩こりに効くローズマリー、マジョラム、ジュニパーベリー、ラベンダー、ジンジャー、あとは気分が良くなるイランイランの精油を調合してる、君の症状に合うものをね。……あー、でも、イランイランは個人的に好きだから混ぜてるんだけど単体でもいい香りなんだよ」
「はあ、い……凄い……んっ、あ、あったか……し、良い香り……で」