第20章 【エルヴィン】ふたりのヒミツ
「結局しちゃった・・・」
「そうだな」
「狡いよ・・・エッちゃん・・・」
ブーツを履きながらエルヴィンを見るサラに、エルヴィンは「何故?」と返す。
「あんなに憧れてて、大好きでカッコ良くてエッチなエッちゃんにさ・・・迫られたら・・・誰だって許しちゃうよ」
「俺はサぁたんにしか迫ったりしないし・・・」
エルヴィンはソファーに座るサラの左右に手を置き、逃がさぬ様にするとそのままサラの膝の上に跨った。
「欲情もしない。サぁたんだけだよ、俺には」
ズッシリと足に体重が掛かり始める。
「うあ、重い重い!エッちゃんそゆとこあるよ!エッチの時だって正常位でいっつも体重掛けてくるしさ・・・っ」
「それで気持ち良くなってるのは誰だろうな?」
「っ・・・はあー・・・もー嫌いになろ」
「ふ、なれないくせに」
エルヴィンのキスが額に落とされ、ムッと睨めば、ニコニコとした表情が目に入る。サラは頬をペチンと叩いて抓る。
「・・・チューしてくれたら許すし、またもっと好きになってあげるよ」
「嫌いになると言ったのを謝って欲しいんだがな・・・しかし更に好いてくれるのは幸せだな。愛してるよ、サぁたん」
「・・・私も愛してるよ、エッちゃん」
そう言いながら優しくキスをするエルヴィン。
サラは彼がまた自分を甘やかし、認めてくれる幸せを噛み締めながら、再びエルヴィンと職務へと戻ったのであった。
その執務室にある小さな物置。
どういう訳か、中でヒソヒソと話す男達・・・ミケとリヴァイが居た。
「オイオイ、こりゃどういう状況だ・・・?アイツらあんな呼び名付けて互いを呼んでいやがるのか?何て言った?サぁたん?エッちゃん?」
「それより早くあの二人が部屋から出てくれなければ俺達が出られない・・・」
「クソ狭っ苦しいな・・・」
「・・・リィくんが先陣を切って出てくれればいいと思うぞ」
「やめろ叩っ切るぞ」
-END-