第16章 【リヴァイ】向日葵畑の真ん中で
「リヴァイ丁度良かった」
団長室に入るなり、エルヴィンに呼び止められる。
「なんだ」
「俺の補佐役のサラが居るだろう」
補佐役のサラ、彼女はリヴァイと大体同じ歳、エルヴィンを筆頭に幹部からの信頼も厚い、良く出来る兵士だ。
「ああ、それがどうした」
「彼女と一緒にこの部屋の外にある、向日葵畑の向日葵に水やりをしてくれ」
「は?何故俺が・・・新兵にでも任せればいいだろうが」
「あれは俺が育てている。手抜きをしない、信用ある者にしか頼んでいない。・・・水も、川から汲んで来なければならないから、馬鹿力のお前が居れば文字通り何馬力にもなるし早く終わる、仕事がまだまだ詰まってるから早く彼女の手を借りたいんだ」
「よっぽどお熱なんだな、アイツに」
エルヴィンの心の中は分からないが、信頼とは別の感情をチラつかせている・・・気がする。
「何の事だ。では、よろしく頼む」
「チッ、まだやるって言ってねえだろうが」
リヴァイはそう言いつつ、エルヴィンへの用を済ませて団長室の外にある向日葵畑へ向かった。