第11章 〇【ライナー】 たまには (現パロ)
事の発端は1枚の名刺だった。
「ちょっとライナー、そこ座れ」
風呂から上がったライナーがリビングに入ってきて席についた。
テーブルには、可愛らしいデザインが施された名刺があり、「かな」と名前が書いてある。
「これ、調べたら抜き屋じゃんね?」
抜き屋、いわゆるソープ的な店。
そんな店の子の名刺が、ライナーのスーツから出て来たのだ。
「本当にキショい、本当無理なんですけど」
腕を組んでライナーに言うが、表情ひとつ変えずに真っ直ぐサラを見ている。
「・・・ちょっと、何か言いなよ」
「俺は行ってないぞ」
「は!?ンな訳ないよね!?」
「上司に渡されたんだよ・・・この子が良いから今度行ってみろって・・・押し返すのが出来なかったからとりあえず受け取っただけだ。やましい事は何もしてねえ」
「あー嘘嘘、分かった、上司に〜とか言ったら黙ると思った?最近エッチしないのはこういう事だったんだ」