第5章 揺らぐ関係…からの安定…?
「その…昨日、さ…英二と…デート…したって、ホントなの…?」
不二は遠慮ぎみに羅夢音に聞いた。
すると、羅夢音は困った顔をしてうつむいた。
少しの沈黙があった後、羅夢音は口を開いた。
そして、
「…わ、私は…その…デートとは…思ってなくて…ただ、ちょっと一緒に遊んだ気だったんです…。まさか…こんなことになるとは…」
と、小さく言った。
その言葉を聞いた不二は、安心したせいか、声のトーンが上がった。
…良かった…もしも羅夢音ちゃんが英二にとられたら…ってすごく心配してたんだよな…
不二はその気持ちを心の中にしまっておいた。
「羅夢音ちゃん、時間とらせちゃってごめんね。もう大丈夫だから…ありがとう。さぁ、部活に戻ろう…」
不二は羅夢音の肩を抱いて歩こうとした。
羅夢音にとっては予想外の行動だったらしく、顔を真っ赤にしてうつむいた。
…不二先輩…顔近い…///
ってか、他の先輩より身長小さいけど、筋肉…あるんだ…やっぱり男の人なんだなぁ…//
羅夢音の頭の中はそんなことでいっぱいだった。
不二はそんな羅夢音に気付き…
なんだか可愛いな…いじりたくなっちゃった…
「もしかして、今…僕に惚れた…?((クスクス」
不二が羅夢音の耳元で言うと、羅夢音は顔をますます真っ赤にして、
「え…そんな風に見えます…?」
と言ってそっぽを向いた。