第5章 揺らぐ関係…からの安定…?
「…羅夢音ちゃん…」
不二は静かに羅夢音に言った。
…しかし、羅夢音の応答がない。
「羅夢音ちゃん?」
不二がさっきよりも大きな声で言うと、肩をビクッとふるわせて反応した。
「あ…ご、ごめんなさい…考え事、してて……」
羅夢音はうつむいて言った。
最も、羅夢音が考え事をしていたのは事実であって、不二の言葉に反応できなかったのはしかたがなかったのだ。
不二にとって、そんなことはどうでも良かった。
それよりも聞きたいことがあったから
「…羅夢音ちゃんに聞きたいことがあるんだけど、少し時間もらってもいいかな…?」
不二は羅夢音の耳元で小さくささやいた。
羅夢音は一瞬顔を強ばらせたが、相手が不二ということもあり、OKした。
二人が話すのは、屋上のことが多いが、今日は移動することも無く、その場で不二が会話を始めた。