第11章 シークレットライブ
そして落ちた狐面を拾い付ける
「もったいなぁい〜!」
「ZERO様ー!もっと見せてー!」
勘弁してくれ
『いつか…な?』
そう言って人差し指を口元に持っていく
その姿は全ての者の心を掴み離さない
キャー!と黄色い歓声が再び湧く
『!?オレ何かしたか?』
当の本人は気付いていない
一人称がオレだが、服装で意見が別れる
「男よ!」
「女だな!」
『…………おい、何とかしろ』
帰りたい
家に帰りたい
その気持ちが大きい
むしろもう観客なんか放置してでも帰りたい
疲れた…
誰か助けて…