第6章 ある夏の一日
「・・・お待たせしました・・・つーか、ヒカリお前・・・どんだけ食うんだよ」
ファミレスの制服姿に身を包んで、私が注文した大量のお料理を器用に腕にのっけている宗介さんがいた。
「ほんっとお前、いい加減腹壊すぞ・・・」
なんて言いながらも私の前にお皿を並べていってくれる宗介さん。
・・・どうしよう!ものすごく・・・ものすごくものすごくカッコいい!
・・・黄色のキャップ被ってる・・・!可愛い!
相変わらず肩幅広いなあ・・・!カッコいい!
名札の所に『キャプテン』って書いてある・・・!すごい!さすが!
あとは、えーっと、えーっと・・・・・・うん!とにかくもうカッコいい!言葉にならない!だってもうその証拠に、私宗介さんが現れてから一言もしゃべれてない。
「へへー。宗介、ヒカリのオーダーは特に気合入れて作ってたよな」
「るっせ・・・!んなわけねーだろ」
な、なんかすっごく嬉しいことを凛さんが言っている。でも言葉が出てこない。心臓がドキンドキンじゃなくってもうバックンバックンって鳴っていて、飛び出しちゃいそうなぐらい。
「ヒカリ?どうしたお前、ぼんやりして」
「ほわっ!!!」
宗介さんが私の顔を覗き込んできて。そしたら当然宗介さんの顔が目の前に来るわけで。突然の出来事に最大級に間の抜けた声が出てしまった。
「・・・ほわ?」
「い、いえいえいえ!!えっと・・・う・・・あ、あのっ!しゃ、写真!写真、撮らせて下さい!」
必死に言葉を探しだして。相変わらず心臓は痛いぐらいにうるさくて、何を言ったらいいのかわからなくって。でもこんなカッコいい宗介さん、永久保存しておかなきゃもったいない!って思って、スマホを出すためにバッグに手を伸ばす。
「っ!おい、ばか、やめろ!店内はスマホ禁止だ」
「えぇぇ?!そ、そんなのどこにも書いてないし、使ってる人だっていますよ?!」
「うるせー、今俺が決めたんだよ!」
「えぇ、そんなのひどいですよ・・・」
宗介さんなんて横暴なんだろう。それになんだかケンカしてるみたいになっちゃった。