第1章 終わりの朝、始まりの夜
恭弥が死んだ…
寿命だった…
横を向いても、後ろを向いても、恭弥はいない…
呼んでも返事をしてくれないし、触れた手は氷の様に冷たかった…
胸に顔を埋めても抱き締めてくれないし、心地いい心音が聴こえない…
私は静かに泣いた…泣いて、また笑おう…
恭弥が好きだと言ってくれたあの笑顔で笑おう…
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無理だった。
私は恭弥が死んでから全く笑えなくなってしまった。
笑顔どころか、喜怒哀楽、全ての感情が抜け落ちてしまった。
恭弥の葬式中も全くの無表情だったらしい…ボンゴレ10代目ファミリーも11代目ファミリーも来てくれた。
その中には、私と恭弥の息子もいた。
でも何を言ったのか、何を喋ったのか、はたまた喋ったのかすら覚えていない。
火葬の時に少し泣いた。
御骨を受け取って、息子の雪弥が家まで送ってくれた。
遺骨はとても軽かった。
私は喪服から着替えずに御骨を抱えたまま、ボーっとしていた。
着物が皺になる、なんて頭にもなかった。
フと、呼ばれた気がした。
後ろを振り返っても、誰もいない…
家の中に、恭弥の気配がない…
無理だった。
私は立ち上がり、ずっと昔…1度だけ敵に使われた毒薬を手に取った。
いつか、こんな日が来るんじゃないかと思ってずっと取っておいた物…
飲むと神経を麻痺らせて30分で死に至る毒薬。
昔、ヴァリアーと殺り合った時に食らったやつ。
これだったら短時間で死ねる。
デッドヒートを飲んで、私は恭弥の御骨を抱き締めた。
熱くなる身体で私は思った。
『次もまた、恭弥と…一緒が、いぃなぁ…』
そして、私は死んだ。