第1章 真っ白な世界で
「俺にあたらないでよ〜」
カグラさんの言葉にこれじゃあただの八つ当たりであることに気づき手をはなす。
「すみません…」
「いや…まぁしかたないよ〜普通はみんなそうなる。でも落ち込んではいられないよ〜。ここに来たからには働いてもらわないとね〜♪」
「働く…ですか?」
カグラさんは「そうそう」と言いながらどこからか取り出した分厚い本を押し付けてくる。
「あの…これは…?」
「それは今からやる仕事のマニュアルね。あとコッチがチェックノート。どっちも大事だからなくさないでね〜。もしなくしたら自腹でかってね〜♪2冊で28,970円〜♪」
「えっ⁉︎マニュアル?てか28,970円ってたかくないですか?⁉︎」
「これでも安いほうだよ〜?」
そう言われるとそう言うものかと納得してしまう。
それより2冊でこの重さはつらい…。
我慢できずに床に置く。
「それで〜なんの仕事をしてもらうかと言うと〜人間の管理〜♪」
何言ってんだコイツは。
「あ〜今何言ってんだコイツはって思ったでしょ〜ひどいなもぉ〜」
たいしてひどいと思ってなさそうな軽い口調でいうカグラさん。
軽いだけの男だとおもっていたがなかなか勘が鋭かった。
「まぁ〜いいけどさぁ〜。そんで何をするかと言うとそのまんまの意味なんだけど…死んだ人の死因をそっちのチェックノートと照らし合わせて次はどんな物に生まれ変わらせるかを書類に記入し定期的に〝神〟に提出するってかんじの仕事。簡単でしょ〜♪」
「いやいやいや。生まれ変わらせるってそんな大事な事、神以外が決めちゃダメでしょ‼︎てか神いるのかよ!
「ちゃんと死因によって何に生まれ変わらせるかマニュアルに書いてあるしそのマニュアルは神が直々に作ったものだから安心して〜。あと、神はいるよ☆」
大丈夫!大丈夫!となんの説得力も無い事を言ってくる。
「ここまでで質問は?」
私はここに来た時から気になっていたもう一つの疑問を聞いくために挙手をする。