第1章 真っ白な世界で
「はい」
「はい。ウタちゃん〜♪」
「カグラさんの説明で気になるところが…私達は生まれ変われないんですか?」
私の質問にカグラさんは微妙な顔をする。
「あぁ〜残念ながら今は無理だよ」
「今は?」
カグラさんはさっきまでのふざけた感じではなく真面目な顔で私を真っ直ぐに見る。
「そう、今は。そもそも自殺は罪だからね〜」
「〝罪〟ですか?」
「そうなんだよね〜人間は生まれた時から何年何月何日何時何分何秒に何が原因で死ぬかが決められてるからね〜どれだけ生きれるかはそいつの前世の行いによるけど…自殺ってのはその決まりごとに反する行為だからね〜」
カグラさんの言葉が深く胸に突き刺さる。
「そんな…じゃあ私達は死に方すらも選べないんですか⁉︎」
「まぁ〜ねぇ〜人間は昔から何度も神を醜い戦いで怒らせてきたからねぇ〜」
「だからって…」
私は納得がいかずうつむいているとカグラさんは私の頭をなでた。
「あんまり細かいこと気にしてるとハゲるよ〜♪まだ若いんだから当たって砕けろ〜♪」
良いことを言ったと満足しているカグラさんに一応ツッコんでおく。
「カグラさん私と2つしか歳変わらないですよね…それにハゲませんから」
私のもっともなツッコミに「真面目だねぇ〜」とお腹を抱えて笑っているカグラさん。
一体何が面白いのかわからないがカグラさんが変人なのは今に始まった事でもないと思うので放って置く。
そんな事を考えながら変な歌に合わせて踊っているカグラさんをジト目で見ているとどこからか大音量でアップテンポな曲が流れる。
場違いにも程がある…。
「おっと〜?早速〝仕事〟かな〜♪」
「あの、この音は…?」
「この曲が流れたら仕事が入ったって事だよ〜ん」
無駄にテンションが高いカグラさんについて行けずにた。
「それで何でこの曲なんですか?」
「あぁ〜これね。これは俺がテンション上げるためにこの曲を流してくれるように頼んだの♪」
「はあ、またすいぶんとアップテンポな曲で…」