第2章 【R18】少年とフェンリル
「…で?誰が俺に似ててかっこいいって?」
『っ…、かっこいいなんて言ってないよ!
…この物語に出て来る男の子がフェンリルに似てるの!
………だから、凄く好きで何回も読んでる』
「………」
『…っ!?』
突然ぐいっと腕を引っ張られて立たされ、そのまま引きずられるように談話室を後にする。
『…っちょ、ちょっと!フェンリル!
どうしたの!?ねぇ!』
私の問いかけに応じることなく、そのまま連れて来られたのはフェンリルの部屋だった。
バタンと音を立てて閉められた扉にはすぐに鍵がかけられて、恐る恐るフェンリルの顔を見上げる。
『…私、フェンリルを怒らせるようなことしちゃった?だったら謝るか…っ』
謝るから、と言い終える前に、私は少し乱暴に口を塞がれていた。驚きで目を見開くと、そこには奥に熱を持たせたフェンリルの瞳があった。何度も角度を変えて唇を食まれた後、息を吸おうと口を開いた隙にフェンリルの熱い舌が私の口内に入ってくる。
『……んっ……ちょ…まっ………んぅっ』
ここまで一言も喋らず、いつものような優しいキスをしてくれないフェンリルが少し怖くて、私の目からは涙が溢れて止まらなかった。
そんな私の様子に気付いたのか、フェンリルは唇を離して私の顔を覗き込んだ後、はっと息を飲んで、私を強く抱き締めた。
『…っ、フェンリル…ごめん…っ、ごめ…』
「何で謝るんだよ…」
『だって…っ、フェンリル、いつもと違って怖かった…っ、怒らせちゃったんでしょ…っ…?』
「…っ、どこに俺が怒るとこがあったんだよ、
逆に、怖がらせてごめんな……」
その声にはいつものような優しさが込められていて、私は少し安心する。
「でも…なんで……?」
少し身体を離してフェンリルの顔を見上げて尋ねると、額をこつんと合わせたフェンリルが頬を赤らめた。