第3章 【軽くR】シリウスの本音(彼目線)
「ああ、知ってる」
そう言って、また柔らかい髪を撫で、ぽんぽんと頭を叩く。
エルは頭を撫でられるのが好きだ。俺が撫でると少し頬を染めながらはにかむ様子が可愛らしくて、俺は一つの愛情表現としてエルを撫でることが多い。
しかし、今 目の前にいるエルは、俺の言葉を聞いた後、眉尻を下げて微笑んだ。そして、
「えへへ、急にこんなこと言って ごめんなさい!」
と言って 歩き始めた。
前を歩く小さな背中はどこか寂しげで、思わず呼び止めた俺の声に振り向いた彼女は、いつも通りの笑顔で答える。
「早く行かないとご飯が冷めちゃいますよー!」
それから、セスやフェンリル達に囲まれながら食事をするエルの雰囲気には先程のような違和感はなく、楽しそうに話をしていた。
「シリウスさん、お食事中すみませんが、少し助言をいただきたい要件があるのでお時間をいただけませんか」
部下のジムが自分の食事を手に話しかけてきた。俺は快諾して、食事をしながらジムと話をする。
「ほんと、アリスちゃんって可愛いわ〜!」
セスの声にぴくりと反応した俺がちらりと見ると、エルの両頬を手で挟んでむにむにとしているセスと困ったように笑う彼女がいた。
後ろから来たレイがセスを引き剥がした後、お礼を言っているらしいエルの頭を撫でた。
恥ずかしそうに慌てる彼女を見た瞬間、何かがぷつっと切れそうになった。
「…リ…スさん?…シリウスさん?」
ジムの声に、はっと気付いた俺は何事もなかったように取り繕いながら、話を進めた。
その俺の様子を見ている奴らがいるとも知らずに。