第2章 episode 1
かっこいいで片付けられる類いじゃない。
何故だろ、彼を見ると血液がざわつくのは。
「わりぃな。驚かせたみたいだ」
『はい──あっいや、大丈夫ですよ!』
「ふっそうか。なら良かった」
ニカッと笑った顔で見られて、いてもたってもいられず、私は直ぐに視線を逸らした。
やばい、かっこいいのに笑うと可愛い!
そんなの心情を知ってか知らずか、彼は穏やかな表情のままに近づく。が
「逃げないんだな」
ボソッと言葉を吐き捨てた。
それに聞き耳を立てていたは顔をあげて彼を見る。
『えっ』
でも目の前にいる彼は笑顔だ。
「身体の具合はもう大丈夫か?」
『え、あっはい大丈──』
そう言えば、傷が手当てされてる。
まるで看護師がしてくれたかのように、きっちり巻かれた包帯と、絆創膏。は記憶にない経緯に目を点にする。
それにこのネグリジェ
『あの、一体ここは? 』
「時期にわかる。今少し話が出来るか?」
『?──はい』
そんな彼に、は微かに疑問を抱くのだった。
まさか、あの人が──。