第6章 幕間
『黒崎チーム4ー0で第1回戦突破です!!』
「おーい酎!大丈夫かーー!?
……ありゃりゃ完全にダウンしてるよ……」
鈴駆は目の上に手をかざして、観客席で伸びている酎に呼び掛けるが反応はない。瓦礫から覗く足はピクリともせず、死んだかな?と思っていると横から声が聞こえてきた。
「……まさか死んでないよね?」
そう言って鈴駆の隣に来て同じように観客席を見上げるのの姿に鈴駆は瞠目する。
死覇装は所々破けてボロボロで、その綺麗な顔には殴られた痕がついている。血の滲んだ口元はそのままに不安そうに見上げるは戦闘中とは随分雰囲気が違っていた。
「クソ~てめぇら口先だけじゃねえか!」
「せっかく応援してやったのによォ!!」
「賭け金返せこの野郎ーー!!」
「殺せ!殺せ!」
突然、観客席から飛び出したブーイングの嵐。口々に六遊怪チームを罵倒して、あろうことか気を失っている酎を妖怪たちが取り囲んでいる。
「てめぇに賭けてたのに全部パーだ!」
「どうしてくれんだ!あぁ!?」
「責任取ってくれんだよなァ!!?」
「!おい、やめろ!!」
酎を囲んでいた妖怪たちが一勢に殴りかかろうとした時だ。
『六杖光牢ーー』
凛とした声が会場に通りーーー光り輝く6本の槍が妖怪たちの胴に突き刺さって動きを止めた。
その光景に目を見開いた鈴駆は恐る恐る隣のを見上げる。