第4章 罪悪滔天【ザイアクトウテン】
何度も顔の角度を変えて、何度も十参號と唇を重ねる。
「んっ……ふっ……」
十参号は苦しそうに吐息を漏らすけど、そんな事知ったこっちゃねー。
箍が外れた俺は、俺自身にだって制御出来やしねえんだ。
「口……開けろ。」
眉を顰めている癖に、それでも俺の唾液で濡れたその唇は容易く開いた。
そこへまた唇を重ね、開いた先へ舌を差し込む。
逃げようとする舌を搦め捕り吸った。
甘露のような唾液を啜り、歯列を擦り、舌の付け根を擽った。
十参號が……
自分の『妹』が……愛おしくて、欲しくて堪らなかった。
口付けと言うには激し過ぎる行為を受け止めた十参號は、俺の腕の中でくたりと弛緩する。
その身体を軽々と横抱きにして、俺は褥へ戻り十参號を横たえた。
「………捌號?」
不安さも顕に俺を見上げて震える瞼にそっと口付ける。
「怖がんなくて良い。
絶対、乱暴にはしねーから……」
十参號の前髪を掻き上げながら優しく額を撫でてやれば、その瞳に浮かんでいた不安さは消え失せて小さく笑った。
「乱暴でも……良いよ。」
「は…?」
「捌號にされるなら……どんな事でも、私…」
……ったく、そんな可愛い顔して、とんでもなく可愛い事言われちまったら、益々大事にしてやんなきゃって思うだろ。
俺はそのまま再び十参號に口付けて、着ている小袖を乱していった。