第1章 第一章 〜大野家の朝〜
【潤side】
… 遠くで目覚ましが鳴っている 。
ああ 、起きる時間なんだと心の中で溜息を付いて手探りで目覚ましを止める。
これが毎朝繰り返される 。
「なんで末っ子の俺が一番早起きなんだよ…」
これも、朝イチのお決まりの小言 。
「さて 、今日はどんな朝飯を作ろうかな…」
冷えきった階段を降り 、まずはリビングで低めの温度設定がしてある暖房を付ける。
これくらい、良いよね?
朝から暖房に当たれるのは早起きする人の特権。
って言っても誰も早起きとかしないからいつも俺が独り占めなんだけど。
きっと後30分したら翔兄が起きてくるだろう 。
バレないように部屋が温まってきた頃に暖房を消して朝食を作り始める。
暫くすると。
翔 「おはよ、潤。」
爽やかな笑顔なのにヨレヨレのパジャマに寝癖の付いた翔兄が起きてくる。
「おはよう、翔兄。外寒いでしょ?いつも有難う。」
毎朝、翔兄は新聞を取ってきてくれる。
翔「良いよ別に。だって俺と潤しか読む人居ないだろ?」
確かに、他の3人が新聞を読むなんて爺ちゃんになっても有り得ない。
翔「よし、それじゃあ俺は皆を起こしてくるよ。」
「ん、お願い。」
他の3人を起こすのも、翔兄が毎朝してくれる。
そしてまた暫くすると。
雅「潤ちゃん、おはよ!!」
智「和、離れろって…あ、おはよう、潤。」
和「やです、寒いんですから温めて…おはよう御座います、潤 。ああっ、ちょ、離れないで下さいよっ。」
一気に騒がしくなるリビング。
やっぱり大野家の朝はこうでなくちゃね。
さて、朝ご飯も出来たし…。
「出来たよー!運んでー!」
キッチンから叫ぶと、まず雅兄が一番に来て、その次に翔兄に引っ張られた和と智兄が来る。
…何となく引き摺られてる2人は楽しそうだけど。
そんなこんなで。
智.翔.雅.和.潤「頂きます!!」
こんな感じで、今日も1日が始まる。