第2章 明日またね。 【宮地 清志】
───翌朝──部室───
珍しく朝にやって来た部室。
昨日の帰り、高尾くんが突然・・・
『タオル忘れてきた!! 汗臭ぇやつ明日も臭うのか・・・』
・・・と叫んでいたもんだから、
『じゃあ明日の朝、洗濯しとくよ』
と言ったら目を輝かせていた。
ので、現在に至る。
新鮮だな、朝の部室・・・。
そんな新鮮な空気を吸い込みながら、部室のドアを開いた───
「・・・」
「───」
・・・・・・・・・・・・え・・・?
「なっ、」
「──っ!!?」
みみみみみみみ宮やや地さん!!!!?
ど、どうしてここに・・・
「おま、え、何で朝なんかに・・・」
「宮地さんこそ・・・え、どうして・・・」
今日は朝練無かったはず。
・・・・・・! ってそんなことより!
「ふ、服っ! 服着てください!」
「お、おう」
半裸で挨拶なんか出来ない・・・!!
くっ・・・これは私がおかしいのか・・・!
それとも乙女なら普通なのか・・・!
顔に熱が集中してるのが分かる。
クラクラしてきて、思わず扉に張りついた。
バァァンと。
「な、何してんだよ?」
「お、お気になさらず」
変な空気が流れて、気まずい沈黙が訪れる。
冬の扉の氷のような冷たさが今はちょうどいい。
「・・・・・・着たぞ」
「わ、分かりました」
何だか振り向くのも怖いけど、変に思われたくも無かったから思い切って振り向いた。
・・・普通の先輩がいる。
そんなことに安堵しながら、余所見せず高尾くんのロッカーに向かった。
「? 高尾に用事か?」
「あ、はい。タオル洗濯するって約束してて・・・・・・・・・・・・?」
・・・・・・してたんだけど。
「・・・・・・・? どうした?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・いえ」
・・・・・・・・・・話が違うんじゃない? 高尾。