第10章 似た者同士は惹かれ合う? 【緑間 真太郎】
「‥‥残酷なこと、言うなって」
「はは‥‥私と全く同じこと考えてる」
「好きになったもんはどうにもならないだろー?」
「そうだね‥‥」
「まずは真ちゃんと──」
「──オレがどうかしたか?」
‥‥‥おっつ。
「‥‥あは~‥‥真ちゃ~ん‥‥」
「? どうしたんだ高尾」
「‥‥っ‥‥っっ‥‥」
「何故絶句してるのだよ」
「あは、は‥‥‥いつから居た?」
「? ついさっきなのだよ。オレの名前を呼んだだろう」
さっき‥‥ついさっきね!?
よ、よかった‥‥。
「あ、ああ! そこか!
何でもねーよ! とにかく調理室ゴーしようぜっ」
「ううううん!!」
「カミカミなのだよ。倉永」
─────---
今日作るのは‥‥クレープ。
3人1組のグループで、組み合わせは自由。
「ユキミちゃん! 一緒やろうぜ~」
「うん!」
「‥‥二人ともエプロンのセンスが微妙なのだよ」
「ぶっふぉ!! ペンギン模様の真ちゃんに言われたくねーわ!!ww」
「ペンギンよりはマシ‥‥ぶふっ‥‥!」
「なっ! 今日のラッキーアイテムはペンギンの小物なのだよ!」
この占いへの執着‥‥恐るべし。
っていうかそれどこで売ってるの。
「まっ、とりあえず作ろうぜ!」
「うん!」
「‥‥フン」
3人同時に三角巾を縛り直した。
‥‥‥って、張り切ったんだけど‥‥
「あああ!! 緑間溢れてる!!」
「むっ」
「ぶっふwww」
「高尾よそ見すんな!」
何これ‥‥修羅場以上に修羅場じゃないの‥‥。
え、卵焼きしか作れない私が先導する形でいいのこれ!? ダメだよね!?
「た、高尾! あんた料理できるんだから‥‥」
「オレはユキミちゃんの手料理が食べたいなぁ~」
「お腹壊すから却下! 早く手伝って!」
「却下早っ!!」
「倉永」
「え?」
「‥‥どうすればいいのだよ」
「‥‥‥」
ホットケーキミックス‥‥無惨に生涯を終えた‥‥。
私のクレープ‥‥‥。
「ははっ、そんなに落ち込むなってユキミちゃん! オレのやつ分けてやるよ」
「た、高尾‥‥‥!」
「オレにも分けるのだよ」
「ちょっと緑間黙ってて」
やっぱり、この人とは合わない‥‥‥。