第10章 似た者同士は惹かれ合う? 【緑間 真太郎】
私は、あの人との相性が最悪だ。
「緑間さぁぁぁん」
「煩いのだよ」
「そんなこと言わないでよー」
私、星座占いでも、血液型占いでも緑間と相性最悪なんだよね。
「あ、そういえば今日緑間最下位だったけど、大丈夫なの?」
「フン。オレが何かを怠る訳がないだろう」
「えー、そうかなー」
「‥‥どういう意味なのだよ」
「だってラッキーアイテム高尾が持ってったよ?」
「!? なっ、高尾ぉぉぉぉお!!!!」
私、愛しい人と相性最悪。
占いなんてバカらしいと思うかもしれないけど、結構当たっていると思う。
緑間とはまず価値観が合わない。
緑間の性格にもついていける気がしない。
緑間のすること一つ一つにイラッとしたことだって何回かある。
だけど‥‥好きなものは仕方ないんだ。
どこをどう取ったって、私が緑間のことを好きなことに間違いはないの。
「ユキミちゃんっ♪」
「高尾! どうしたのー?」
「んー? 別に用はねーよー」
「ないのかよ」
逆に、高尾とは相性最高。
名前占いでも『相性バツグン!』と告げられてしまった。
確かに、高尾の気が利くところとか、すごく理想的。
「まーた真ちゃんのことで悩んでんのかよー乙女かよー」
「乙女ですけど?」
‥‥だけど、どれだけ相手が良いだろうと──
やっぱ、緑間がいい。
何でだろう‥‥分かんない。
「お、そうだ。次の時間家庭科だぜ。
真ちゃんに女子力見せるチャンス!」
「はは‥‥私料理なんてからっきしダメで‥‥」
「‥‥ダメダメじゃんか」
「分かってる‥‥」
はぁ‥‥せっかく緑間の苦手な料理が出来るところ見せてやろうと思ったのに‥‥。
得意料理? 卵焼き。って感じだからなぁ‥‥。
「ははっ! まっ、そんな気ィ落とすなって。他にやれることあるだろ」
「高尾‥‥」
ほんと、優しい男だな…‥。
「ありがとう‥‥。
高尾のこと好きになれてたら、
幸せだったのかな」
世界って、残酷だ。