第7章 INTOXICATION 【灰崎 祥吾】
そして、ある日。
オレは、衝撃を受けることとなった。
「・・・・・・灰崎」
「あ?」
神妙な顔で、ユキミは口を開く。
「・・・私、灰崎に隠してたことがあって」
「・・・隠してた?」
着いてきて、と。
いつもはファミレスに行く道を通りすぎた。
「お、おい」
・・・喋らねェ。
何があったんだ? 何かされたのか?
心臓が、妙に忙しなかった。
──────---
「──ここ・・・」
何も言わず、ユキミは鍵を開けた。
──ユキミの、家。
オレも外観すら見たことがなかったが、なるほど、マンションだったのか。
「・・・上がって」
ドクンと心臓が脈打つ。
惚れてる女に家に上がれと言われたら、そりゃ誰だって・・・。
部屋の奥に案内され、待っててと入らされた。
「部屋・・・か。ユキミの・・・」
別に普通だ。
ぬいぐるみは1つもなく、机とカーペットとベッドがあるだけ。
大きなクローゼットがあるから、そこにすべて収納されてるんだろうな。
・・・妙に無機質、だ。
「・・・灰崎」
「ぅおっ!!?」
気がつくと、扉の前にあいつが立っていた。
脅かすなよな・・・。
「で、なんだよ。隠してたことって」
「・・・」
「・・・言わねぇと分かんねぇだろォ?」
・・・そんなに言いにくいことなのか?
「・・・・・・灰崎。あの、さ。
───これから話すこと、引かないって約束してくれる?」
引く?
腐女子っていう告白か?
・・・それは別にいいけど。
「おう」
「・・・私・・・」
心臓の音が外に漏れ出てs──
「・・・・・・は・・・?」
───押し倒されていた。
っな、え、は、え!?
胸板にはユキミの顔。
もぞもぞと太股が足に擦り付けられる。
「・・・・・・っ」
ぶわっと顔が熱くなった。
ックソ・・・・・・ムラッとしてきた。
「・・・何してんだよ」
「私ね・・・・・・SM嬢・・・で・・・女王様・・・なの」
・・・・・・は!?
「SMってお前・・・それ風俗じゃ・・・」
「うん。働いてる」
「っ!?」
「引いたよね」
引いたも何も・・・衝撃・・・つーか。
「・・・じゃあお前・・・S専・・・ってことか?」