第7章 INTOXICATION 【灰崎 祥吾】

Sな女は久しぶりだ。

て言っても、SもMも下にしてヤるが。


「ち、違う! N! Nです!」

「N?」

「そう! ノーマル! 仕事だからそういう役やってるだけで･･･」

でもよォ･･･未成年で風俗はやばいんじゃ･･･

「うん･･･だからその、秘密に、して、ほしくて･･･」

灰崎だから言ったの。


そう告げて、俯くユキミ。

それは分かった。

お前は多分、家の事情でやってるだけだと思うからなァ。


「･･･分かった」

「ほ、ほんとに!?」

「その代わり･･･仕事でやるみてぇにオレに奉仕してみろ」

「･･･････へ?」


もうさっきのムラッときたのでヤベェんだよこっちは。


オレの必死さが伝わったのか、戸惑っていた目が、引き締まった。


「･･･わ、分かった･･･」


仕事みてぇに、だからなァ?


しっかりやれよ。


近づいてくる顔が妖艶に微笑んだ。

こいつが仕事で見せる笑み。

ファーストキスがオレじゃねぇっていうのは気に食わねぇが、まぁ許してやる。


「っんむ･･･んっ･･･」


重なった唇から、ユキミの香りがふっと香った。

仕事でヤられる男はみんなこんな感覚になっているんだろう。


下唇を食われながら、手が下へ下へと伸びていく。

首筋を擦られ、その焦点を目指すように唇も下がる。


「っ･･･」

「んん･･･っはぁ･･･」


まるで何かに食われてる気分だった。

少しだけ･･･女の気持ちが分かったような気もする。


「･･･っ、ふふ、ごめん･･･痕つけた」

「･･･仕事でもそんなのやるのかァ?」

「違う･･･灰崎だから･･･」

好きだから、って聞こえたのは幻聴か?

「もういっぺん言ってみろ」

「！ い、言わない！」

「･･･へぇ」


手を腰に回す。

その下を擦れば、観念したような声で告げた。

「･･･っ･･･好き･･･っ」

「･･･へぇ」

スカートの中に手をやると、恍惚とした顔で俺を見上げる。

「おら、キスしねぇのか? あァ?」

「～っ、バカ! 意地悪い!」

体を跳ねさせながら、また口をつける。

「んぅ･･･ふっ･･･んん」

「･･･甘ェな」

「!? んぁ･･･っふ･･･んむ!」

舌を捩じ込む。

こんなに気持ちいいキスは久々だ。














【END】