第1章 いちばんよるがながいひ 【赤司征十郎】
プレゼント持って、この部屋に来て、ケーキも食べて、クラッカーも鳴らして───。
それで────、
────『はじめて』・・・───。
「・・・・・・あーっ、恥ずかしいな、もー」
「なんでだい? かわいかったよ」
「そういうのが恥ずかしいの!」
今でも鮮明に思い出せるから怖い。
焼けるように熱い肌。
ひとつになってる感覚。
揺れる髪、滴る汗。
はじめて見る、赤司くんの切羽詰まったような顔───。
「────~っ!」
視線が熱くて、恥ずかしくて、持っていたクッションを彼の顔面に押し付けた。
「いたっ」
「自業自得!」
寝返りをうって赤司くんから目を背ける。
こうでもしないと焼け焦げそうだった。
「・・・ユキミ?」
・・・・・・・・・答えないからね。
「・・・悪かったよ。言い過ぎたね」
声のトーンが下がって、なんだかションボリしたような声が聞こえてきた。
・・・え・・・?
な、なんかこういう声って妙に気になるというか・・・。
「・・・・・・あ・・・赤司く、」
─────!
「────っな、」
「俺がそう簡単にしょげると思ったのかい?」
「っ!!」
か・・・・・・・・・確信犯だ・・・・・・。
「だ、騙したの・・・!」
「こんなに簡単に引っ掛かってくれるとはね。これだから君は可愛いんだ」
・・・・・・もうそんな言葉にときめかないよ。
馬乗りされ、逃げようと思っても抜け出せない。
精一杯目を瞑って、彼を遮断する。
もう恥ずかしさでおかしくなりそうだった。
「────・・・・・・ユキミ・・・」
「っ!!!!」
耳がカッと熱くなる。
注ぎ込まれた言葉と、吹きかかった吐息と、耳朶に当たる唇が、妙に艶っぽくて何て言うかもう恥ずかしさで心臓爆発しそう!!
「や・・・やめて・・・」
「嫌だ。君が俺を見てくれるまでやめる気はないよ」
「っ・・・」
そんなこと言われても。
見られないものは見られないんだから。
耳朶にかじりつかれて、
唇が這って、
首筋に紅い花が咲いたことに気がついていても、こういう行為をされているということが恥ずかしくて目を見れないことを分かってほしい。
「・・・あ、赤司く・・・ん」
バシバシと二の腕を叩いてみても、止まる気配はない。
本気で、羞恥で焼け焦げそうだ。