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Sweet!!!! 【黒バス・短編集】

第4章 とあるお話の裏では 【火神 大我】


「やだよ」

「何でだよ」

「普通に恥ずかしいじゃん」

「恥ずかしくねーから。来い」

「恥ずかしすぎるからね?」

「ユキミ」

「!」


なんだコイツ・・・親みたいに。

その威圧に気圧されて、仕方なく立ち上がった。

悪意を込めて、勢いよく座る。

「痛って!!!」

「へへん」

なんだか優越感に浸っていたのもつかの間、後ろからぎゅっとされた。

「ッおぐっ・・・」

「仕返し」

キツイキツイキツイ。普通に現役運動部に締められたらキツいから!

「! やっ・・・ぷはっはははっ!! ちょ、やめ!!」

うっ・・・く、くすぐったい!!

逃げられないことをいいことに、現在進行形でホールドされてくすぐられている。

ひ・・・卑怯だ!!


「やめっ・・・はははっ! ぷっはは!!」

「俺に勝てるわけねーだろ」

「っふふ・・・ははっ! わか、分かったから! やめ、」

いきが・・・、ぐるじい・・・っ!!


酸欠で頭が真っ白になるその直前、手が止まった。

そのままグッと抱き寄せられる。

「っな・・・」

「・・・はー」

「?」

「・・・落ち着くな」

「そ、それはどうも」

「まんざらでもねぇみてぇだな」

ど、どうしたの今日の火神は・・・。

いつもと違って意地が悪い。

何かあったのかな?

「・・・? なんだよ」

「・・・火神、無理スンナヨ」

「なんでカタコトなんだよ」

こんなこと滅多に言わないから、どんな顔して言えばいいのか分からない。

でも、まぁ・・・

・・・火神が笑ってくれてるから、いっか。


「んーん。なんでもない!
ピザ食べよ! 冷めるし」

せっかくのLサイズだし。

冷める前にアツアツのまま食べたいし。

「そうだな」

「・・・・・・・・・ちょっと」

「なんだよ」

「・・・腕、離してよ」

「あーーーーー」

『あー』が長いよ。どんだけ溜めてんのよ。

溜めるわりには離す気配がない。

「・・・ちょっと」

「・・・別に、このままでも食べれるだろ」

「え、このままで食べる気なの」

食べづらいでしょ。

「嫌なのかよ」

「嫌・・・じゃないけど」

じゃあいいだろ。

そんなこと言って火神は1枚目のピザを二口で食べてしまった。

「食べれねぇなら食べさせてやろうか?」

「! いい!!」

爆弾発言・・・。
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