第2章 明日またね。 【宮地 清志】
───なぜかあれから2ヶ月後───
・・・そう、何故か・・・、
何故か・・・2ヶ月後、つまり卒業式当日になってしまった。
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『──きゃー!!!』
『!? うぶっ』
(──何今の何今の何今の!)
あまりに突然のこと過ぎて、思わず先輩にマフラーの投げつけて逃げてしまった。
後ろから呼び止めるような声がしたようなしなかったような。
でも、たとえ聞こえていたとしても、後ろを振り返ることは出来なかった。
全身が熱い
(・・・合わせる顔がない・・・)
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そして、一度も顔を合わせることなく本番。
まさかこんな状態で迎えるとは。
あれから部活にも来なくなった。
忙しいんだろうなって自己解決させて。
3年生は自由登校だったから、校舎でも顔を合わせることはなかった。
まぁ、卒業式のリハーサルで見かけることはあったけど。
あんなに失礼な態度を取っちゃったし。もう、何て声を掛ければいいのかも分からなくなってしまった。
そもそも・・・もう声を掛ける資格なんて無いのかもね。
「・・・バカだな・・・ほんと・・・」
「ん、なんか言った?」
「! あ、いや何でもない」
隣に立つ高尾くんに目敏く勘づかれ。
慌てて否定したが、彼にはどうも通用しないらしい。
「・・・宮地さんに、今日こそは伝えろよ」
───無理だよ。
そう言いたかった。
「はは・・・最善を尽くします」
「・・・・・・あ、そーだ。また時間作ってやるから。そん時な!」
「え・・・え!? や、やめてよ迷惑だし!」
「誰も迷惑なんかじゃねーから、気にすんなって!」
じゃあ決まりな!
そう言い残して歩き出す高尾和成。
「・・・・・・嘘・・・」
そう言い残すしかなかったわたし。
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見事に宮地さんが卒業証書を受けとるシーンで号泣してしまった今年の卒業式。
赤く腫れぼった目を擦って窓から外を眺めた。
先輩達と話したいけど、泣きそうだからやめとく。
こうやって一人で眺めてる方が私に合ってる。
宮地さんはきっと今、女子達に第2ボタンせがまれてるんだろうな。
ほぅ・・・と息をついていると。
──ピロン
「・・・ん?」
メール?
《今すぐ体育館!! 遅れんなよ!》
───え・・・!?