第1章 いつもの
坂本「お、俺は真剣に聞いてんだよ!」
少し声を荒げてしまって、はっと我に返ると、♪は酷く優しい目で俺を見ていた。
畳みかけの洗濯物を床に置くとスタスタと俺のところまで歩いてくる。
俺が何も出来ず疑問に思ってると、俺の脚に跨って座り首に両腕を回す。
突然の事に年甲斐もなく急に胸が高鳴る。
**「好きだよ。いつも。大好き。」
降り注ぐ甘すぎる言葉に顔が急に熱くなる。
坂本「俺がおっさんでも?」
**「私もおばさんだし(笑)」
坂本「でも・・・」
**「じゃぁ、まぁくんは私のこと好きじゃないの?」
坂本「んなわけあるかよ!好きだよ!俺には♪しか・・・!」
そこまで言ってまんまとハメられた事に気付く。
案の定♪は俺の膝でくっくっくって笑いを堪えてる。
多分♪が思っている以上に、俺は♪が好きだ。そう思った時、
**「私もね・・・もうまぁくん無しじゃ考えられないから・・・」
そう言った彼女は、いつも通り余裕たっぷりに笑ってるのに、耳が真っ赤になっていた。
俺は嬉しいのと歯痒いので取り敢えず♪の胸に顔を埋める。
坂本「これからも・・・俺だけの♪でいて・・・」
**「そのつもりだけど・・・?(笑)」
余裕たっぷりに言ったかと思うと、おでこをこつんとくっつけて、いつもの俺の大好きなとろんとした目で見つめてくる。それは♪がキスをねだってる時で、いつか♪から言わせたいって思ってるのに、いつも耐え切れず俺から言ってしまう。
坂本「♪・・・ちゅーしよ?」