第1章 静寂とはじまり
―――――――――7年後―――・・・
エリア11
ブリタニア租界
「チェックメイト」
薄す暗い部屋に響く若い男の声
「ば・・・ばかな、ありえん!!この私が負けることなど・・・!」
取り乱す貴族の男をまるで気にせずに席を立つ青年
「ま・・・待て!貴様名前は!?」
青年はフッと小さく鼻で笑いながらふりかえって言った
「ルルーシュ・・・ルルーシュ・ランペルージ」
その青年の目はきれいなアメジスト色だった
リヴァルのバイクに乗り学校へと向かう
「貴族ってだめだよな~~プライドだけはあるから、支払いは確実だけどね」
うししっとハンドルを片手だけ離して親指と人差し指で丸を作る
「相手の持ち時間も少なかったしな」
ルルーシュは興味がないのか本を読みながら適当に返事を返す
「?なぁリヴァル、道が違うんじゃないか?」
「こっちのが近道なの」
そういうと二人が乗ったバイクは暗く、そしてひどく荒れた街を通る
「しっかし俺たちの租界と違ってゲットーはひどいな」
日本人(イレブン)が暮らす街”ゲットー”
ブリタニア人が暮らす街、”租界”に比べてその歴史は歴然
「薄暗いし、辛気臭いし。日本人ってなんか怖いし」
リヴァルは肩をすくめながら話す
大国ブリタニア帝国による強力な支配を物語っていた