第2章 ◆Dear◆(妹サイド)
「どうにかして店開けさせて!姉様の指輪を仕上げさせなさいッ!!」
「無茶言わないでくださいよ~…」
「~~~もぉっ!どうするのよっ?結婚祝いなのに、明日渡せなきゃ意味ないじゃない!」
「…」
「~~~」
「知りませんよ、そんなこと」
「な…っ」
んですってぇ…っ!?
「あ。ちなみに私、明朝より休暇を頂戴しておりますので。指輪の受け取りはご自分でどうぞ」
「ハァ!?私に取りに行けって言うの!?」
「…別に他の者に取りに行かせてもかまいませんけど。プレゼントの件は内密に、ということでしたので?」
「うっ」
「引換証は後ほど。私が直接――」
「わかった!じゃ、披露宴の時に渡すことにするっ」
「…ま、それでもよろしいんじゃないですか」
「心配だから、今度はちょっと早めに取りに行って」
「…ですから。私は、休暇中です」
「何言ってるの。披露宴は三ヶ月後よ?一週間…は早すぎるか。でも三日前には受け取っておいてよね」
「…美羽お嬢様。その頃は私、おそらく日本におりませんので。物理的にも無理かと」
「は?さっきから何言って…」
「失礼ながらお嬢様。私が今回頂いた休暇は…半・年・間、でございますよ」
「…。はん、とし…?」
「Yes!half a year!でございます」
「ええええっ?そんなにっ!?」
「ええ。さっすが天下の北条家当主、器が大きい♪」
「~~~~っ」
聞いてないわよ、お父様ッ!?