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【S】half a year(気象系)

第1章 ◆Fly high◆(執事サイド)



結婚後に必要な情報は当然のこと、彼女を取り巻くあらゆる環境、とりわけ異性関係はチェックが厳しかったはず…。

しかしながら、まことに残念ではあるが、こと美月お嬢様においては、男性との交際経験なんてものは一切無い(断言)。「あの人素敵ね」とかほざくことはあっても、それはその瞬間の素直な感想を口にしただけ。まったくもって恋愛に発展していくようなものではない。

もちろん、彼女が魅力不足ということでは全くない。周囲の涙ぐましいディフェンスの賜物である。…ま、主に俺が、だが。だってそれも仕事だし。

美月お嬢様は華やかで美しいお方だ。パーティーなどにご出席されることも多く、当然その席で一目惚れされたりストーカーじみたことをされかかったことも、実は数え切れない。



そういう類の不届きな輩はこの私が!シャットアウト!!真っ先に盾となり対処していたので、本人にその汚らわしい邪念が伝わることはなかったと断言できる。

大事な大事な、箱入りのお嬢様。細心の注意を払い、いかなる害虫をも寄せ付けないよう厳っ重に警戒していたからこそ、の結果なのである。

だから彼女の異性関係は本当にまっさら、潔白もいいところだ。それは俺が保障する。いくらあちこち嗅ぎまわったところで、浮いた噂ひとつも出なかっただろう。


ただし

それは家の“外”の話。


そしてもっと言えば、夕べ、俺が彼女の部屋を訪れる前までの話…。


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