第2章 ◆Dear◆(妹サイド)
「お義母様もカチンときたみたいで、電話口でお説教始まっちゃって…。そしたら『だって俺が産むわけじゃないし…。俺帰っても、手伝えることなくない?』って(笑)」
「はあっ!?」
ナニソレ!?
「私は笑っちゃったけどね~。だってその通りだし…。でもお義母様は本格的にキレちゃって。『もう帰ってくるなッ!!』って。そしたら『いや、帰るってば。産まれるちょっと前に教えてよ』って…。何かもう漫才みたいでおかしくって(笑)」
「…ハァ…」
「最近はねぇ、子供用のおもちゃとか服とか、あと妊婦にいい現地の食べ物とか、見つけるたびに送ってきてくれて。ちょっと大変(笑)」
「…そう…なんだ…」
「実を言うと私も、最初はそれこそ、ちょっとピリピリっていうか。少し構えてたんだけど…。なんかもう、彼の毒気のなさ?ものすごいマイペースな空気感に気が抜けちゃって。頑なになってる自分がバカみたいに思えちゃったの(笑)」
「…ふぅん…?」
確かに旦那様、悪い人ではなさそうなんだけど…。ホントに、何て言ったらいいのか…。
「…赤ちゃんには遺伝しないといいね」
「え?」
「その、なんか…変わったとこ」
「フフ。変わってる?」
「相当変わってるよ!?」
「…。どうかな…。どっちかわからないし…」
「え?」
「あ。ううん、なんでもない」
「?」
そっとお腹に手を当てて、姉様は微笑んだ。
「大丈夫。どっちにしても、ちゃんと愛せる…」
「…」
姉様、なんかキレイ…
あ、もともとキレイだけど!世界一!!