第2章 ◆Dear◆(妹サイド)
「でも…すごく優しくしてくれた。きっと何か気付いてたんだと思う。何度も何度も『ごめんね』って彼…」
「!」
やっぱり。そういうことだったんだ!
「謝るくらいなら最初から早めなきゃよかったじゃない!なんて人なの?たった三ヶ月くらい、我慢できなかったのかしら…」
「え。待って待って。何が?」
「え?だって。式が早まったのって、旦那様がヤキモチ焼いたからなんでしょ?」
「…誰に?」
「櫻井に」
「…」
「…」
な、なんでそんな爆笑してるの、姉様…。
「ハ~…。美羽ってば。誰に聞いたの、そんなこと…(笑)」
「ち、違うの?」
「違う違う。彼はまだまだ継ぐ気がないから、むしろ逆。結婚はできる限り先延ばしにしたかったんだって。でもまあ…ね。周りはそうは思ってないから。もう30過ぎてるし」
「あ~…。ウチと同じだ…」
「フフ。美羽は同じ立場だから。よくわかるんじゃない?」
「わかるぅ…」
「アハハハッ」
なるほどぉ…。そう考えると、そんな悪い人じゃないのかも…?