第1章 ◆Fly high◆(執事サイド)
「…少し寝とかねーと…」
無理やり目をつぶってみる。
が、昨夜ほぼ寝てないにも関わらず、まったく眠気はやってくる気配がない。相当疲れているはずなのに。心身ともに。
いい加減、頭がおかしくなりそうだ。夢か現実か、もう全部が曖昧になってる気がする。
「ふー…」
次に目を開けたら、まったくの別人になってる…とかね。執事なんてものじゃなく、もちろんお嬢様の記憶もない、ただの男。一人に尽くすのはもうたくさんだ…。
影の存在から真逆の職業ってなると…やっぱマスメディア系か?それは…アリだな。実際に起きている世の中の事象ほど興味深いものはないから…
あとは――…
アイドル?(笑)
それもファンやマスコミに四六時中追い回されるような、超人気国民的アイドル…だっけ??
「…フッ」
ないない(笑)。