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【S】half a year(気象系)

第1章 ◆Fly high◆(執事サイド)



心中をお察しすることなど、俺には到底かなわない。だからせめて、俺がして差し上げられることがあるのなら、どんな望みでも――…

そう強く思っていたのは事実。非常識極まりないそのお願いを断りきれなかったのは、そういう背景もあったから


…というのはまあ、半分は建前だ。

だって俺はこの頃すでに、彼女を欲していたから。…そういう風に。当時はむしろ、今より素直に、前向きな気持ちでそう願っていた。

だから、それこそ

「喜んで!」

だったよね、むしろ。さすがにそうは言わなかったけど。


まぁ、幸か不幸か?服を脱がし始めた時点で彼女は“完全に無抵抗な状態”になってしまったのだが…。

なんせ初心だったからさ?うん。彼女、すべてが初めてなの。いわゆる~…初体験ってやつ?うん。正真正銘、ド素人だったわけだから。ええ。だから

「ここで!?」

って段階で意識飛ばしちゃっても、それはさ。

しょーがないんだよっ!だって初めてなんだからっ!!しょうがないとしか言いようが無いんだよ、コッチもッ!!!

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