第1章 ◆Fly high◆(執事サイド)
「熱はどう?」
「もう、だいぶ…」
「ホント?…翔、すぐ嘘つくからなぁ」
「そ、そんな、ことは…」
「じゃ、おでこ」
「!?」
コツン…
「ん~…」
「お、じょう、さま…っ?」
「んんぅ~…。まだちょっと熱い気がするけど…。だいぶ下がったみたいね」
「あ…ハイ…」
「…」
「…」
「ね。私、翔と結婚したいな」
「…。へっ!?」
「病気になってもお互いに看病しあえる夫婦…って、なんかステキじゃない?」
「それは…」
「ね?いいよね。だって私、翔のこと大好きだもん!ねっ、翔は?」
「あ…。は、ハイ…」
「ハイ、じゃなくて!私のこと好き?」
「っ」
「ねぇ」
「…もちろんで、ございます…」
「ホント?じゃあ約束ね?将来、私のお婿さんになってね♪」
「…光栄で、ございます…」
「…」
「…」
「誓いのキスとか、しとこっか?」
「…エえええっ!?」
「あはははっ。声裏返ってる!冗談だってば(笑)」
「~~~~」
「フフッ。じゃあ…指きりげんまんっ。手ぇ出して」
「は、はい…」
遠慮なく絡まってくる小指
手とはいえ、やはりお嬢様に触れるのは緊張する…