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【王馬小吉】出演者達に休息を(ダンロンV3)

第5章 「恋」




やる気を出したところで、また赤松がさっくりと手を切る。きゃーっという声と同時に、リビングへぞろぞろとした人影が現れた。


「あっ、赤松さんどうしたの?」
「えっ最原くん⁉︎どうしてここに…⁉︎」
「んぁぁっ!王馬ではないか、ウチらはな、なにもしとらんぞ!」
「あれ?珍しいメンツだね、なんで夢野ちゃんがいるの?」
「逢坂さん、キーボ君が通してくれたんすけど…もしかして、来ちゃいけなかったっすかね」
『天海?』


リビングに現れたのは、最原、天海、王馬の3人だ。赤松と夢野は顔を真っ赤にしてバタバタと机の上を隠そうとするが、逢坂はその2人をキョトンとして眺めるだけで、隠そうとはしない。


『キーボー?今日は男子禁制だよー』
「えっ、そうだったんですか!すみません、博士のご友人なので通してしまいました…」
『まぁいっか。で、揃ってどうしたの?』
「よくないよくない!恥ずかしすぎるよ!」
「な、なぜこんなタイミングで現れるんじゃ!」
「なになに、どうしたのどうしたの?ねぇねぇどうしたのどうしたのどうしたのどうしたの⁉︎」
「んぁぁ〜!寄るな〜!」


(……あれ?)


夢野の反応は、赤松に酷似している。
赤松は最原くん違うの違うのと早口で弁明をして、真っ赤になった顔を絆創膏のついた手で隠した。えっ、指怪我したの赤松さん、大丈夫?と結果的に最原を呼び寄せる結果となり、来ないでー!と絶叫する始末だ。
夢野はなにを思ったのか、さっきまで刻んでいたチョコを口いっぱいに頬張り、な、なにもしておらんぞ…と平然を装った。そんな夢野の盛大に変形している頬を突っつき、王馬は、なになに、ブサイクなハムスターの物真似でも習得しようとしてたの?と酷い言い様でからかい、夢野からもうやめいー!という怒号が飛んだ。


(……夢野の相手は王馬?)


冷静に頬に手を当てて観察をしている逢坂の横に来た天海が、その頬に当てていた逢坂の手を掴んだ。


「ほら、チョコ顔についちゃうっすよ」
『…ありがと』


天海は逢坂の頬を指の背で払った。バチっと2人の目が合い、天海はにこりと笑った。


「逢坂さんも作ってるんすか?」
『あ、ううん…私は監視してるだけ』


逢坂は天海に掴まれている手を振り切って、少し距離をとった。

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