第4章 大嫌いなサンタクロース
小さい子どものように泣いて泣いて。
その泣き声を聞いて、駆けつけたキーボと王馬の喧嘩が勃発しそうなのを、無理やり泣きやんで止めた。
「博士はボクに嘘発見機能をつけるべきだと思います!なら王馬クンに困ることも無くなりますから!」
「えーなにそのつまんない機能。また逢坂ちゃんの才能の無駄遣いさせる気?どうせだったら、目から鱗発生させたり、へそでコーヒー沸かす機能とかつけてよ」
「それこそ博士の才能の無駄遣いです!それに、コーヒーではなく茶です!」
「逢坂ちゃんお茶よりコーヒー派じゃん」
「えっ…た、たしかに……いえ、どちらにせよいりませんそんな機能!とにかく、博士から離れてください!」
「オレは病人だからベットからは離れられない定めなんだよ。風邪なんか引かないロボットにはわからないだろうけどさ!」
「ロボット差別ですね…!では博士、こちらにきてください!王馬クンをシーツで包んで無力化します!」
『だ、大丈夫だよキーボ。別に王馬に泣かされたんじゃないから』
「えっ…そうなんですか?」
『うん、どっちかといえば王馬も被害者だから』
目をゴシゴシと擦り、ベットから離れる。
王馬はじっとそんな逢坂を見つめ、ヤッチー君を抱えると、逢坂の後を追って、扉の方まで駆け寄ってきた。
「ずっとベットにこもってるのも暇だからさ、リビングで寝ることにするよ!でもその前に、ケーキ食べたいなー」
「ウイルスを撒き散らさないでください、博士は学会を控えているんですよ!」
「えーーだって今日はクリスマスなんだよ⁉︎ドッキドキのケーキ製作に参加できなかったんだから、もう一心不乱にケーキを食べるしかこのオレの陰鬱とした気分は晴れないし!」
『……まぁ、もううつるとしたらうつってるし。風邪っていうより、過労が祟ってって感じするしね。ケーキ食べようか』
「やったー!無罪のオレを疑ってかかったキー坊には罰として、これみよがしに目の前で美味しそうにイチゴ食べてやるからね」
「……」