第4章 大嫌いなサンタクロース
「じゃあ逢坂ちゃん、また明日ね!」
『うん、気をつけて帰って』
元気を取り戻した王馬を見送って、温かい家に入る。
キーボのメンテナンスの続きをしながら、また考えるのは王馬のことだった。
初めて王馬に触れたあの日。
眠りにつく直前、彼は逢坂に手を伸ばした。
あの仕草が、安心感を求めていたからだとしたら、逢坂は曖昧な態度をとることで、王馬をどれだけ不安にさせてきたのだろう。
(……なんで離れないのかな)
それでも、いつも逢坂の側にいる王馬。
もし「オレが側にいるからね」というあの言葉を嘘にしないように、多忙な中、頑張ってくれているのだとしたら。
(………あーもー、考えたくない)
自分のことで精一杯で、王馬の気持ちなど考えないようにしていた。
(………でも、考えなきゃ)
失いたくないのなら
手放したくないのなら