第3章 不在の代償
「あ、雪ー!久しぶり!キーボくんすごいね、あんなロボット作っちゃうなんてやっぱり私とは才能の質が違うよ!」
最原と遅れて、赤松も逢坂のもとへと集まってきた。
明日からまた一緒に登校できるよね?と聞いてくる彼女に、逢坂はコクコクと頷いた。
「天海くんには謝った?」
『………謝りはしたんだけど、修行僧のようにノートを書き殴ってて目を合わせてくれない』
「あー…彼は、すごく心配してたみたいだから、気持ちの納めどころがまだ見つからないのかもね」
『そんなに心配してたの?』
「うん、なんていうか……」
言葉を詰まらせた最原だったが、逢坂が黙って言葉の続きを待つ。
最原は、ぴったりくる表現が見つからず、困って赤松に視線をやった。
任せて!と言わんばかりに赤松が顔の横で人差し指を立て、笑顔を浮かべた。
「怖いくらいに心配してたよ」
「うん、そうなんだ。怖かったよ」
『……怖いくらいに…?』
「そこ、通してもらってもいいっすか」
扉を塞ぐような形で立っていた逢坂の背後から、いつもより数段低い声色で天海が声を発した。