第2章 超高校級のロボット博士
「あのさー逢坂ちゃん」
『…なに、アメジスト』
「アメジスト?なんの例えそれ。セキュリティが心配ってあながち嘘じゃないんでしょ?」
『……うん。あまりこの学園のセキュリティは万全だとは思わない。左右田先輩が今回セキュリティメカを作ってくれてるけど、適応までには時間がかかるし』
「現にオレみたいな奴がほぼ自由に出入りしてるしね。……大丈夫なの?オレと行動してくれれば、いつでも安心だよ?」
『…王馬、喧嘩強いの?』
「ううん、げき弱。オレ体力面は自信ないなー」
『……むしろなにが安心なの?』
「オレがキミとのことをバラさないか、監視できるよね」
『……バラしてもいいよ。それで誰かを傷つけたりしないなら』
「ちょっと。オレを傷つけといて言うセリフ?」
『傷ついたの?』
「すっごく傷ついたよ!1日で円形ハゲができちゃうくらいショックだったんだから!」
『明日起きたら見せてね』
「ほらまたノーリアクションだ。こっちはいかに騙すか寝ても覚めても研究してるんだから、そっちもリアクション上達してくれないと」
『そんなこと考えてないで寝ろ』
王馬の頭に、枕に出来そうなクッションを放り投げた。
ちぇーと残念そうに口を尖らせて、王馬がおとなしく落下してきたクッションを抱き枕として使い始めた。
(……枕にはしないのか)