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【王馬小吉】出演者達に休息を(ダンロンV3)

第21章 生かせ生きるだけ恨まれる




「では皆さん、グラスを持って!体育祭ーーー」
「「「おつかれさまでしたー!!」」」


体育祭が終わった次の週の月曜日。
見事クラス対抗男子バレーで優勝を勝ち取った2-Aでは、放課後、体育祭の打ち上げという名目のクラス会が催された。
会場は、学園の食堂。
男子バレーの優勝特典が、「クラスの打ち上げにかかった費用は学園が負担する」という半強制的なものであったため、今年度2-A史上初のクラス会が企画された。
食堂を貸し切っての開催とあって、噂を聞きつけた他クラスの生徒達も見知った中であれば出入り自由というオープンな雰囲気が会場を包む中、逢坂は一人、テラスに設置された椅子に腰掛け、会場内を眺めていた。


(…あのスポドリ、学園内の自販機に入ってた。珍しい種類じゃない、どこでも手に入る)


寝ても覚めても、ずっと。
体育祭のあと最原から告げられたある事実が、逢坂の思考を独占し続けている。














ーーーえ?毒物?












「うん、あのペットボトルに仕込まれてたみたいなんだ。逢坂さん、不審な人物を見かけたり、あるいは「最原ちゃん大変!!!こっちきて!!!!」………え?ちょ、何!?」
『え、待ってよ王馬!今大事な話して…!』


こっちも大変なんだって!と、王馬は最原を引きずるように逢坂から引き離し、彼を連れ去っていってしまった。


(…最原が戻ってきたら、また聞けばいいか)


そう思い、その場で食い下がらなかった自分の判断が誤っていたと気づいたのは、王馬と一緒に戻ってきた最原が、さも自然な態度で別の話題を振ってきた時だった。


「…えっと…なんの話してたっけ。…あ、そうそう。スポドリのアクエリデスって、人によってはお腹くだしちゃったりするみたいだよ」
『…………え?アクエリデスの話する雰囲気じゃなかったよね?』
「ううん、アクエリデスの話をしようと思ってたんだ。逢坂さんも気をつけてね」
『…アクエリデス?』
「うわ〜最原ちゃん物知り〜。でもどうせなら、オレが全部飲み干す前に雑学披露して欲しかったなぁ」


「明日下痢確定だよー」、なんて真面目に困った顔をする王馬に対し、最原は「アスゲリデスだね」なんてふざけたコメントを真顔で返した。

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