第17章 押しつけられた隠し事

「というわけで、今日決めればいいのはバレーと卓球のみ！ではまずバレーから！6人制なので、うちのクラスからは男死2名、女子3名戦力外ヤローをあぶり出せばいいわけですね！」
「何気に茶柱さん、結構ざっくりいくっすね」
「地味に傷つく言い方するよね」
「では！我こそはという方は高らかに挙手を！」


茶柱が言い終わる前に、逢坂が今まで見せたことのない俊敏さで天高く手を挙げた。


「1抜け、逢坂さん！」
「んぁ！？ウ、ウチも、亀よりも愚鈍と言われた素晴らしいポテンシャルを秘めておる！」
「あっ、はい！私もピアノしか能がありません！」
「茶柱のせいですげぇ切ない自虐大会になってんじゃねぇか…」


我こそはと前向きに後ろ向きな発言を繰り返す赤松と夢野に出遅れて、入間がガタッと慌てて立ち上がった。


「オ、オレ様は超機敏でバレーくらい難なくこなせるけどよ…ほ、ほら、ボールがぶつかった瞬間、ちょっと疼いちまうっつーか…あぁっ！てなっちゃう癖があってだな…お楽しみモードに」
「危険人物なので入間さんは不参加とします！そしてタッチの差で赤松さん！3抜け！」


よっしゃ！と入間が満足げにガッツポーズし、夢野がんぁー！と叫ぶ。
どう考えてもタッチの差で夢野の自己申告の方が早かったのだが、どうやら茶柱は夢野がバレーに興じている姿を見たくてたまらないらしい。







女子バレー
白銀、茶柱、東条、春川、夢野、夜長








という黒板に書き込まれたメンバーの中に、断る間も無く自分の名前を入れられてしまった春川が「なんで私が…」とぼやいた。


「では次男死！我こそはバレーなぞ庶民の遊び、お断りしてやるわ！という方！」
「ハイ！あ、あの…ボクはやったことがないんですが…」
「いいでしょう、キーボさん1抜け！」
「えっ！？違います、世界競技としてのバレーのルールをそのまま適応しているのかと聞こうとしただけで…」
「はーい、オレもやらなーい」
「待て、俺も断る」
「えーなんでさ星ちゃん！運動神経いいんだから庶民の下劣な遊びに加わりなよ！」
「そう言われて加わると思ったんなら王馬、てめェは大バカだな」
「運動神経くらいしか取り柄のない脳筋に言われたくないなー」
「んだとてめェ！？」