第17章 押しつけられた隠し事
でも!!と力強く反論の意思を見せた茶柱は、軽く格闘技の構えをして王馬を威嚇しながら、チーム分けの「最重要項目」である理由について主張した。
「体育祭はチームワークが要!!王馬さんを白組にしたところで見えているのは白組の白が鮮血に染まりきった血の色地獄!!普段周りの方々を尊重しないからこういうことになるんですよ!!そして…チームのバランスを考えた上で、転子が犠牲に……!」
「チームバランスおかしいじゃん。なんで春川ちゃんと百田ちゃん、キー坊に筋肉バカがいて更に人数も多いの!?」
「なぜ保育士の春川さんが戦力扱いに?まさか、日頃幼子との追いかけっこにより、かなりのスタミナ形成を行なっているとか…!?」
「そんなわけないじゃん!春川ちゃんは」
超高校級の、と王馬が口にしようとしたところで、逢坂がハイ、と挙手をした。
「ハイ!どうぞ逢坂さん!!!」
逢坂の読み通り、茶柱は王馬の声をかき消す反応速度と声の音量で逢坂を指名した。
『競技種目の☆マークはなんですか』
「さすが逢坂さん!よくぞいい所に気づいてくれました!!」
茶柱は、コホンともったいぶって咳払いをした後、もう一度今年の体育祭の種目を指差した。
●体育祭種目
・バレー(男女別)
・卓球(男女別)
☆バスケ(男女別)
☆障害物競走(男女混合)
☆50m走(各自)
☆リレー(男女混合、バトンは4つ)
「この☆が付いている競技は、紅白チームにそれぞれ勝ち点が割り振られる競技です!なので、バレーと卓球のみ全学年各クラス対抗、その他の競技は紅白ごとに選手を輩出し、勝者の所属チームへと勝ち点が入ります。もちろん、毎年障害物競走と50mのみは全校生徒参加ですので、拒否権は無しです!」
リレーは、赤白青緑のバトンで各チームから2名ずつ走り、5周でゴール!!と茶柱が目を爛々と輝かせながら補足説明をした。
(……うわぁ……めんどくさ……)
という顔をする逢坂の方へ、キーボが振り返って「さっきのは落ち込んでもいいやつですか?」と多少のタイムラグを感じさせる問いかけをしてきた。
逢坂はキーボの頭を撫でて、慰め、また視線を茶柱へと向ける。