第17章 押しつけられた隠し事
「さて!では転子に熱い視線を向けてくれていた逢坂さんの集中を邪魔した憎っくき男死はパパッと成敗しましたので、本題に移ります!」
しゃがみこんで額を押さえている王馬を見て、天海が「王馬君のことっすか」と納得した。
黒板に茶柱が文字を書き進める間、自然と自席に戻っていくクラスメート達。
「今年の種目は、これです!」
と茶柱が黒板を力強く叩き過ぎて、隣のクラスからざわっとした悲鳴が微かに聞こえてきた。
●体育祭種目
・バレー(男女別)
・卓球(男女別)
☆バスケ(男女別)
☆障害物競走(男女混合)
☆50m走(各自)
☆リレー(男女混合、バトンは4つ)
「さて!それでは次に紅白チームメンバーの発表です!」
やけに手慣れた茶柱の発表と共に、紅白チームに分かれて競い合うチームメンバーの名前が黒板へと書き込まれていく。
◉赤組
赤松、天海、入間、王馬、真宮寺、東条、星、♡夢野♡
○白組
キーボさん、獄原、最原、白銀、春川、百田、私、夜長
というところまで書いて、茶柱が数を数えた後、「あっ」と小さく呟きながら、片手に持っていた紙を見て、黒板に書き加えた。
◉赤組
赤松、天海、入間、王馬、真宮寺、東条、星、♡夢野♡
○白組
キーボさん、獄原、最原、白銀、春川、百田、私、夜長、逢坂
「異議あり!!」
「静粛に、王馬さんの申し出を却下します!」
「異議あり!!」
「はい、なんですかキーボさん!」
「どうしてボクだけさん付けなんでしょうか?」
「未だ距離を感じるからです!」
「ちょっと、茶柱ちゃんなんで却下するの!?こんな紅白チームくらい入れ替わったって誰も気にしないじゃん!」
「ダメです!だいたいにして、あの夢野さんと転子ですら運命のいたずらによって敵チームに振り分けられてしまっているんですよ!?王馬さんだけ特別扱いは私の私情的に許しません!!」
「ウチとしてはこれ以上ない組分けなんじゃが………」
「エェーーーッ!?嘘ですよね夢野さん!?信じません!!」
「茶柱ちゃんの私情はどうでもいいよ!っていうか、そんなに嫌ならオレと組交換すればいいじゃん!」
「ぐぅ……男死と取引……夢の夢野さんと同じチーム………」