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【王馬小吉】出演者達に休息を(ダンロンV3)

第14章 歪な恋心




逢坂が不在の状況で、午後一つ目の授業を終えたばかりの教室。
別のクラスから流れてくる、逢坂が独りでに階段から落ちたという情報や、誰かが逃げる彼女を追いかけて突き落としたという情報など、さまざまな誤った情報が錯綜し、2-aは騒然となっていた。


「…っあ。少し静かにしてください。博士からメッセージです」


みんなに混ざって、おろおろと逢坂の安否を心配していたキーボは、急に飛び込んできた電波に反応した。


「えっ、大丈夫なの?運ばれたのは隣の病院だよね?」
「あ、赤松さん少し顔が近いです…はい、博士はそこに運ばれたはずです」


耳元に設置されている通信機に手を当てて、キーボが逢坂の声を聞こうとする。
その耳型通信機を取り囲むように、赤松、その赤松のすぐ近くまで躊躇いなく顔を近づける天海、最原を押しのけた百田、春川が集まってきた。


「怪我は大丈夫ですか博士!ボクはこれから早退して、病院へ行きます!」
<あ、キーボ、大丈夫だよ。ただ滑って落ちただけだから。検査入院のために1日泊まるけど、キーボはうちにいて>
「えっ、入院ですか!?」
「「入院…!?」」


さらっと状況説明をする逢坂の声は、いつもとなんら変わりはない。


<でも一応って程度だよ。血が出たのは頭じゃなくて額を切ったからだし、特に骨折してる感じでもないし>
「とりあえず、今すぐ行きます!!」
<ダメだよ。授業はちゃんと受けなさい>
「で、でも!」
<ダメ。家のセキュリティコードを渡すから、放課後に会いに来てくれるかな>
「……うっ………わかりました……」


あ。


という逢坂の言葉の途中で通信が途切れ、キーボがまた不安そうな声をあげる。


「…博士?博士!」


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