第10章 オレとボクのライアーゲーム
「こんなつまらない終わり方でいいの?」
オレの口は、確かにそう動いた。
自分の耳に届いた肉声と、口を裂いた笑みを浮かべる自分の顔に触れて、ようやく理解した。
そうだ、このままじゃ負ける。
こんな気まぐれで暇つぶしのゲームでも、あまりに雑魚すぎる。
「母親」の寝室に飾ってあった、あの希望ヶ峰学園の卒業証書。
超高校級の教育者だかなんだか知らないが、闇社会の総統に屈辱を浴びせ続けたことを後悔させてやる。
(……あぁ、なんだ。今日で30日じゃん)
気づけば、今日はあいつと決めた期限の終了日。
オレはそのまま、その足で組織のもとへと戻り、真っ青な顔をして「戻りたくない」と繰り返す大嘘つきのクソガキを黙らせた。
まさか正気のまま帰ってくると思っていなかったのか、狼狽する間宮ちゃんは壊れたおもちゃのように、帰りたくない、と叫んだ。
「戻れるなんて誰が言ったっけ?オレはお前の命をもらうよって言っておいたはずだけど」
「……っ嘘ですよね…!?本気なわけない!!」
「嘘じゃないよ。オレとのゲームに負けて、まさかただで済むとは思ってないよね?」
「それじゃ、オレに家の情報を黙ったままゲームをスタートさせた間宮ちゃんには、死んでもらっちゃおうかな!」