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【王馬小吉】出演者達に休息を(ダンロンV3)

第10章 オレとボクのライアーゲーム




息を切らして、階段の踊り場で立ち止まった。


「…ッ!?」


壁に貼られた大きな鏡。
そこには、ボクではない誰かの姿が映っていた。


「……っ誰だよお前、なんなんだよ!なんだよ、そのピエロの仮面…!?」


鏡に映る「ボク」は、見たこともない不気味なピエロの仮面を顔につけていた。
仮面で覆い隠されたその顔が見たいのに、鏡に映る「ボク」は、同じ動きをしてはくれない。
ぼぅっと幽霊のように突っ立って、鏡の中から「ボク」を見つめている。


「……あの子も、お前もなんなんだよ…!?」


見たことがないはずの、その仮面に見覚えがある。
そうだ、その仮面は「オレ」のものだ。
小さい頃お母さんにお祭りで買ってもらった。
なんの祭りだっけ?
そもそもその記憶は誰のものだ?
そんな昔のものをなぜ今思い出す?
いや、今だから思い出すんだ。
「オレ」は間宮光で、その仮面はお母さんに買ってもらったもので、この記憶は確かなもので、「僕」は確かに「オレ」で。
違う。
違う違う違う違う違う。
あの仮面は「オレたち」のものだ。
買ってもらったわけじゃない。
「オレたち」だけが持っている秘密の仮面。









鏡に映る「オレ」が、仮面を外して「ボク」を見た









そして裂けるような笑みを浮かべた口で、こう言った










お前の負けだよ、と









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