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【王馬小吉】出演者達に休息を(ダンロンV3)

第9章 キミとの距離




「…だから私…やめたの。いくら考えても、私と天海くんの違いはありすぎて、何が私に足りないのかわからなかったし…本当の理由がわからないから、王馬くんともすぐに打ち解けた雪が本当に男好きなのかなってことばかり考えちゃって…」
『………』
「…クリスマス、みんなで過ごそうって言おうと思ったけど無理だった。私と二人ねって言って何度も遊びに誘ったりしたけど、結局遊べたことないし、もし最原くんや天海くんがいる誘いだけ乗ってくれたら、雪のこと…もっと疑いそうになっちゃうから。でも最原くんと雪が二人で遊んだりするのも嫌だった。だから最原くんを誘ったの」
『……楓』
「クラスが離れてホッとしたのは本当。だって最原くんも雪とクラス離れたんだから、奥手の最原くんは雪と距離が離れていくよね?だったら、行動力がある私の方が最原くんを差し置いて雪ともっと仲良くなれる……なんて……考えてたんだけど……教えてくれない?どうして雪は私といるとあまり笑わないのかな」
『楽しいよ』


逢坂はぴしゃりと言い放ち、自信なさげにする赤松の額にデコピンをした。いたっと赤松が額を押さえ、涙ぐんだ目で逢坂を見つめてくる。


『楽しいに決まってるでしょ。たった一人しかいない女友達なんだよ?大事じゃないわけないよね』
「…でも、明らかに私と、最原くんたちと接する態度が違いすぎるよ」
『当たり前だよ、女の子と丁寧に接しないなんてあり得ないから』
「……丁寧に、接してただけなの?」
『うん、大きな声で笑ったり早口で話したりしない。昔女友達と大喧嘩したことがあって、それ以来勉強したんだよ。女性の扱い方を。まぁ…気を使ってたって言えばそうなのかもしれないけど、でも楓といてつまらないわけじゃないよ。いつだって楽しいし、予定さえ合えば遊びたいと思ってたよ』


証拠がいるなら、あとでアマゾネスでググってその本見せるよ、と逢坂はあっけらかんと言った。そのこざっぱりとした様子に赤松は無性に安心し、また涙が溢れてきた。


『ごめん、気づかなくて。疑ってごめんね』
「……っ……雪〜〜!私こそごめん〜!」



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