第6章 本当の嘘つき
「…僕は、ずっと、悔しかった。逢坂さんの側にいたいのに、それを僕に望んでくれないキミにも、それだけ確かな気持ちがあるのに…何も言えない自分に対しても…ふざけるなって思ってた。僕は逢坂さんの…一番の友達だと思ってたのに、逢坂さんは僕じゃなくて、ロボットに側にいてほしいと願ってやまないみたいだったから」
もう隠していたくない
もう、隠していられない
「……逢坂さんがロボット開発に夢中になっていけばいくほど、「最原じゃだめだ」って言われてるような気がしてた」
『………』
「人に似たロボットを開発するってことが…どれほど素晴らしいことなのか僕にはわからないから。逢坂さんが自分自身の心を埋めるためにキーボくんを作ったとするなら…じゃあ側にいる僕はなんなんだって」
どうしてロボットじゃなきゃいけないんだ
なんで僕じゃダメなのかわからない
「……ごめん、嘘をついて。僕はずっと友達だったのに…逢坂さんのこと、応援なんてしてなかった。はやくロボット研究なんてやめてほしかった。もっと僕と一緒に過ごして…他愛ない話を、してほしかったんだ」
『……追いかけてまで言わなきゃいけないと思ったのはどうして?』
「王馬くんに言われてたんだ。僕の本心を黙ってる代わりに、邪魔するなって。でも僕はもう邪魔をしないわけにはいかないから」
『……?』
「逢坂さん、僕と付き合ってくれない?」