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【王馬小吉】出演者達に休息を(ダンロンV3)

第6章 本当の嘘つき




「どうなんだろって、最原くん逢坂さんの彼氏じゃないの?なんでそんなに平然としていられるの?もうひと月も学校来てないんだよ?」
「…ご、ごめん。彼氏じゃないんだ。だから詳しいことを聞いたりできる仲じゃなくて…」
「彼氏じゃなくてもこの際どうでもいいよ!一番仲良いのは最原くんなんだから、もっと逢坂さんに話を聞いてみてよ!」
「えっ、うん…わかったよ」


彼女に促され、逢坂さんに電話をしてみることになった。気まずくて逃げ出したかったけど、案外逢坂さんはすぐに電話に出てくれた。


『…何か用?』
「…あ、最原だけど…逢坂さん今何をしてるの?」
『今イギリスで学会の準備をしてる。忙しいから切るね』
「えっ、ちょっと待っ」


雑に切られた電話を眺める僕を見て、赤松さんが、どうだった?と問いかけてきた。彼女の評判を下げたくはなかったけど、なんだかいたたまれない気持ちになって、イギリスで学会準備だって、と伝えた。


「へー!そうなんだ、なんだよかったぁ」
「……え?」
「学校来たくなくなっちゃったのかと思ったよ!騒いでごめんね、最原くん」


少しの陰りも無く笑う赤松さん。逢坂さんの話を、まっすぐな赤松さんが鵜呑みにするのも仕方のないことか、と考えた。


「…赤松さんは優しいね」
「……え?そ、そんな…私は逢坂さんと一緒にいるのが一番落ち着くから、勝手に気にしちゃっただけだよ」
「え?でもキミはたくさん友達がいるよね」
「あー……うん、いるよ」


赤松さんは笑い、僕の質問に答えるだけで、逢坂さんを特別視する理由は話さなかった。

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