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ローオト

第6章 やきもちさん


島についた。
いつもならおめかししてローとお出かけ…というパターンだが、今日はそんなことは無い。ナチュラルメイクでいつものツナギのまま、私はムスッとした顔で夜の宴に出ている。
「オトハ〜、飲んでる?!」
「シャチ…」
カウンター席で1人で飲む私にシャチが絡んできた。今夜は酒屋でハートの海賊団全員で宴だ。
「なぁ、船長といい加減仲直りしたらどうなんだよ?もうさっさと謝れよ」
「はぁ?なんで私が謝る側なんだよ!ふざけんな!!あっちが謝れよ!」
ローは私の後ろでテーブルに足を乗せて不機嫌そうに飲んでいる。チラリとこっちと目が合うが、私はふい、と目をそらした。
「もー、キャプテンが口もきいてくれないんだぜ?」
「だーかーら!あっちがね、私の行動をいちいち監視してストーカーっぽいことしてくるのが悪いんだよ!わかる?!」
そう、私が何をするにもローの監視が必要らしい。最早ストーカーレベル。それに怒りを覚えて朝から大喧嘩。もう口も聞いていない。
「だからシャチ、私の事は気にしないで」
そっか、とシャチはしぶしぶ帰っていく。私はこっちから謝る気も仲直りする気もない。が、いつ向こうが謝ってくるのかなと半分楽しみである。
もうお酒はやめようかな…と思った時、また誰かが寄ってきた。
「君、海賊だよね?」
顔が整っている黒髪の男だった。歳は20そこそこというくらいか。
「そうだけど?」
「急に話しかけてごめんね、僕はこの島の者でね…」
さり気なく私の隣に座ってきた男は、どうやら海を旅してみたいという夢を持ち、私にどんな冒険をしたのかと聞きに来たらしい。
「そうだなぁ…」
何から話してやろうか、と持っていたグラスを眺める。
「おい、オトハ」
「は…」
聞き覚えのある低い声が私の名前を呼んだ。振り返ると、いつのも帽子をかぶる我らが船長だった。…しかも、かなり怒っている。やべぇぞこれは…。
「なんだよ…っ!ちょっと!!離せ!おい!!」
私を突然軽々と抱える。
「ペンギン、あとは頼んだ」
「はい」
ペンギンに金だけ渡して酒場を後にする。私はローに触れられたくない、と思っていたためジタバタと騒ぐ。
「離せ!聞いてんのか?!おい!!」
「うるせぇ、黙ってろ」
そのままホテルに直行して、ズンズンと部屋へと入っていく。そして、私を乱暴にベッドに投げ出す。
「ちょ、っと!急に何すんだ!?」
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